幕末戊辰 会津戦争へのタイムスリップ
144年前の今日 慶応四年九月二十日
降伏の使者として薩摩藩などへ出向いた秋月悌次郎らが
降伏の条件
(「降参」と書いた白旗を大手門外に立てる等)
を持って帰城してきました‥
一ヶ月続いた籠城戦の終焉が
近づいています・・・
籠城戦最後の日まであと二日と
近づいてきました‥
今日は 開城する前に
最後の人物探訪をしてきました
会津を語る上で
絶対にご紹介しなければならない方です
実はホントは インタビューさせて頂こうと
マイクを持ってお伺いしたのですが…
ご本人の目の前に立ったら
美しすぎて…その高貴なオーラに圧倒されて…
私 一言も言葉を発せられませんでした
この方は、本物のお姫様でした
美しくて 高貴で 優しくて 強くて
会津のみんなの憧れ
籠城婦人の 心の支え
直接お話しをお伺いすることが
私にはどうしても出来なかったので
今日はこの方の人物探訪という形で
ご紹介させていただきます
もうお分かりですね
最後の人物探訪はもちろん
この方を迷わず選ばせていただきました
容保公を支えた会津のお姫様
美しく気高く優しく
そして強い方 会津の姫
★『照姫』
松平照
会津藩の支藩上総飯野藩
藩主保科正丕(まさもと)の三女として生まれた彼女
10歳で会津藩八代藩主容敬(かたたか)公の養女となりました
18歳の時に嫁ぎましたが23歳で離縁
江戸の会津藩邸に戻りました
その頃藩主 容保公の正室 敏姫が
わずか19歳で他界してしまったため
照姫は江戸藩邸の奥向きを担いました
血はつながっていませんが
容保公と照姫は姉弟になります
容姿端麗で、書道や茶道、礼法などにも通じ
書や和歌も好む とっても素敵な女性でした
容保公も、照姫から手ほどきを受けていたそうです
京都守護職時代、容保公は孝明天皇から
純緋の布を頂きました
(とっても異例なことだったみたいです)
容保公はこの布で陣羽織を仕立て
その写真を撮って 江戸の照姫に送ったそうです
きっと容保公も、この美しく優しい義姉を慕い
頑張っている自分をほめてもらいたかったのかな
『えっへん!すごいだろ!お姉ちゃん
僕、京都で頑張ってるよ!』
みたいな気持ちだったかも
鳥羽伏見に破れた後
会津藩邸の総引き上げに伴い
慶応四年の春に照姫も初めて会津に入りました
きっと 見知らぬ土地に入ることに
不安もいっぱいだったでしょうが
照姫のお国入りの際は
会津は大フィーバーだったのでは!
きっと 本人もびっくりするほど
大歓迎されたのではないでしょうか
そして‥慶応四年八月二十三日
鶴ヶ城籠城戦が始まりました
ここで 照姫はすごい能力を発揮
会津藩婦女子五百人余りを総指揮し
傷病者の看護、炊事、洗濯、消火活動から
はたまた城内に打ち込まれtた弾丸の処理や
さらには弾丸の製造にもあたり大活躍しました
籠城戦がこれほど続けられたのも
照姫を中心とした婦女子達の
活躍があってこそなのでした
開城後 照姫は容保公らと共に妙国寺に謹慎
その後 東京に護送となった容保公でしたが
照姫はそのまま妙国寺で冬を越し
翌年 東京の紀州藩邸に預けられました
同年五月 会津戦争の責任者として
萱野権兵衛に『斬に処す』(打ち首)が決定
切腹さえも許されない屈辱的な沙汰です
皮肉なことにその執行は 照姫の生まれ故郷
飯野藩主 保科正益(まさあき)~照姫の実弟
に申し渡されました
それを知った照姫は
一死をもって会津藩を救おうとする
忠臣 萱野権兵衛に親書を送るとともに
次の歌を詠み 切ない自分の心を伝えました
『夢うつゝ 思ひも分かす 惜しむそよ
まことある名は 世に残るとも』
余談ですが、照姫の弟 保科正益は
『斬首』と命じられながら
密かに萱野権兵衛に切腹をさせてくれました
萱野権兵衛に
罪人としてではなく
武士として 最期を
しっかりと まっとうさせてくれました
さすが照姫の弟さん
ありがとうございます
その後照姫は飯野藩の預け替えとなり
二十数年ぶりに実家の藩邸に戻りました
弟 正益は照姫の孤独な心を心配し
海を一望できる場所に邸を建ててくれました
重ね重ねありがとうございます
照姫は 明治十三年に一度 会津を再訪され
東山温泉に泊まり 次の歌を詠んでいます
『岩くだく 滝のひびきに 哀れその
むかしの事も おもひいでつつ』
この句の「むかしの事」に 婦人五百人を指揮し
命がけで戦った籠城戦のことを
思い出していたんだと思います
照姫は明治17年に、東京でその生涯を閉じました
享年五十三歳
美しく 優しく 気高く優雅で聡明で
そしてここぞと言うときには凛とした強さを持った
本当のお姫様
まぎれもない、会津の大切な大切な
お姫様
会津最後のお姫様は今 会津若松市
松平家の墓所に眠っています
長かった会津の戦いも あと 2日
あと2日 頑張って書きますので
ここまで来たら 最後までお付き合いくださいね